FTMの日常生活に付きまとう「トイレ問題」
「どのトイレに入ったらいいか分からない」「男性用トイレの個室が少なくてなかなか空かない」など、多くのFTMがトイレについて悩みを抱えています。
この記事では治療段階別にどのトイレを使うべきか、またトイレで使える立ちショングッズなどを僕や友人の経験談を元にご紹介します。
3割以上が悩むトイレ問題
TOTOとLGBT総合研究所が実施した、400人のトランスジェンダーを対象としたアンケートでは、31.1%の人が「トイレに入る際の周囲の視線」に、23.5%の人が「トイレに入る際の周囲からの注意や指摘」にストレスを感じると、回答しました。
ホル注を何年か打って完全にパス度が上がるまでは、どのトイレを使ったらいいか迷ってしまいますよね。
女性用トイレに入っても戸惑いの目で見られたり、だからって男性用トイレに入ってもバレそう、多機能トイレに入るのも身体に不自由がある方などに気が引ける......ということでどこのトイレを使ったらいいものかと考えてしまうトランスジェンダーは少なくありません。
FTMはどのトイレを使う?
それではFTMはどのトイレを使ったらいいのでしょうか。
先に言ってしまうと正解はありません。治療の段階や最終的には本人の気持次第になってしまうことにはご容赦ください。
あくまでも私やFTMの友人たちの体験談です。
未治療の場合
全く身体的な治療をしていない段階の場合、女性用トイレか多機能トイレを利用していた方が多いです。
学校や職場などでカミングアウトをしていない場合は、周りからは女性と認識されているため女性用トイレを使用せざるを得ません。
性自認に従って男性用トイレを使用すると、パス度がまだ低いことが多く、余計に白い目で見られてしまう可能性があるだけでなく、完全にマナー違反となってしまいます。
周りから女性とみられている以上は女性用トイレを使用しましょう。
また生理用ナプキンを捨てる場所がなかったりと不便なことも多々あります。
女性用トイレに並んでいると、身体的、社会的には女性であることをひしひしと感じてしんどい、ということもあるでしょう。
その場合には多機能トイレを使用するという方もいます。
もし未治療の状態でもパス度が高く男性に見られることが多い、友達や知り合いなどと一緒でない場合には男性用トイレを使っても問題ありません。
友達や知り合いと一緒でない時には、治療うんぬんよりも「周りからどちらとみられることが多いか」で入るトイレを選択した方がいいでしょう。
治療途中の場合
治療中のパス度が微妙な時期、この時にもやはり「周りからどちらに思われることが多いか」で、どちらのトイレを使うか判断しましょう。
治療途中ともなると、必然と友達や家族、知り合いにはカミングアウトしていることが多いでしょう。
その場合、今まで認識されていた性別と反対のトイレに入るのが、ちょっと気まずかったりします。
できるだけ同じタイミングにトイレに行かないようにしたり、多機能トイレを使うように気を遣っている当事者も多いです。
完パス状態の場合
完全に男性として他の方から認識されている完パス状態の場合には、男性用トイレを普通に使用しても問題ないでしょう。
ただしまだ生理が終わっていない場合、ナプキンを捨てるところがないので注意しましょう。
また立ちションは難しいため個室を使うことになります。
男性用トイレの個室は少なかったり、なかなか空かなかったりすることもあってちょっと厄介です。
完パスの状態でも過去には女性として認識していた、友人や家族などと同じタイミングでトイレに入る際には少しきまずい感じになる方もいるかもしれません。
タイミングをずらす、多機能トイレを使うというのもありですが、今後も関係が続いていく、男性として生きていくことをカミングアウトしている状態であれば、ずっとそんなことを続けるのも大変です。
それであれば男性用トイレに入ってしまって「こういうものだ」とお互い慣れていくようにした方がいいのかなぁと思います。
FTMのトイレ用立ちショングッズ
FTMだって立ちションをしたい!個室トイレがなかなか空かない!という時に持っておきたいのが立ちショングッズです。
主要なものとをご紹介します。
TravelPorter「Dream Porter」
TravelPorter社の「Dream Porter」は、自分の好みの長さに合わせてカットして使えるエピテーゼです。
排水口がしっかりフィットする形状に作られているので漏れにくいと言われています。
価格は7,678円(税込)です。
FTMエピテーゼ専門店の匠
「FTMエピテーゼ専門店の匠」はフルオーダーで自分の肌色に合ったエピテーゼを作成してくれます。
万が一横から除きこまれたとしても何も違和感がないので安心です。
ただし価格がなかなか。
なんと38万円!!
試しではなかなか買えませんね。もしお持ちの方がいたら、コメント欄または問合せフォームから感想や使い勝手などを教えてください。
ローゼス「SUKEDACHI」
ナベシャツで有名なローゼスでも立ちショングッズが販売されています。
その名も「SUKEDACHI」です。
価格は最も安い5,500円。しかし使った友人は「使いにくかった。衛生面がめっちゃ心配」と言っていました。
※あくまで個人の感想です。
見た限り、Dream Porterよりも確かに受け口が小さいようにも見えますね。
使ったことがある方はぜひコメント欄または問合せフォームから感想や使い勝手などを教えてください。
簡易立ちショングッズを使う
もししっかり仕切りなどがあって横から覗かれる心配がない場合は、登山用などとして売っている簡易的な立ちショングッズを使用する手もあります。
見た目は完全にプラスチックなので見られたら終わりですが、受け口がしっかりしていて安いものが多いです。
以上、FTMのトイレ問題と治療段階別の使うべきトイレの種類、FTMがトイレで使えるグッズをご紹介しました。
ジェンダーレストイレなどが普及してきているものの、まだまだ男女別のトイレと多機能トイレしかないところが多いです。
トイレは生理的な現象のため「使いにくい」という理由で我慢してしまうと、健康に影響してしまい、大きな病気にも繋がりかねません。
対処法はたくさんあります。
もちろん完璧なものはありませんが、少しでも役に立てればと思います。
もし「自分の時はトイレではこうしていた」などの体験談などがあればぜひコメント欄や問合せフォームからお寄せ下さい。
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