FTMが性別を変更して、結婚をして...となると次は自分の子供が欲しくなる方が多いでしょう。
しかし戸籍の性別を変更するには生殖機能を失わなければなりません。
いずれにせよ戸籍を変更したFTMと女性が結婚をしたら、いわゆる普通にセックスをして子供を授かるというのは無理な話です。
しかしそれ以外でFTMが子供を持つ方法はあります。
この記事では、FTMが子供を授かる方法についてご紹介します。
※国内では倫理的議論がまだまだされていることは承知のうえですが、今回は一旦置いておきます。
非配偶者間精子提供(AID)
FTMの方が子を授かる際に利用することが多いのがこの非配偶者間精子提供(AID)です。
非配偶者間精子提供(AID)とは、無精子症など男性側に不妊の原因がある場合に、第三者の精子を人工授精することで子を授かる方法です。
FTMが利用する場合、第三者の精子ドナーを待つ場合もあれば、兄弟や親などに精子提供をお願いする場合もあります。
ただし男性側がFTMの場合には受け入れてくれない病院、身内からの精子提供を受け入れていない病院が多く、対応できる病院は限られているのが難点…。
そのため病院ではなく、セルフで針のない注射器のようなものを使うシリンジ法を試す人が多いです。
新宿三丁目でbarを経営するMASAKIさんもその一人です。
卵子保存
FTMが自分の遺伝子を残す方法の1つとして卵子保存があります。
卵巣を摘出する前に、自身の卵子を取り出して保存します。
FTMが卵子保存をする場合、日本国内では倫理的、技術的問題から対応できる病院が少なく、タイなどに渡航して卵子を取り出すケースが多いです。
卵子保存をする前にはホル注を何か月間か中止をして、生理を起こす必要があります。
色々な意味で意外とハードルが高いかもしれませんね。
参考:アクアビューティ LGBT妊娠・出産
養子縁組・里親制度
特別養子縁組制度を利用して、養子や里子を迎えるという選択肢もあります。
2人との遺伝子を受けつぐ子にはなりませんが、血のつながりがなくても家族にはなれます。
里親制度を利用した場合には「実子」とはなりません。
養子縁組を希望する場合には、まず児童相談所に相談をすることから始めます。
自分の住所管轄の児童相談所を調べて電話で連絡をして、担当者を面談の約束をするところがスタートです。
FTMの太田有矢さんは養子縁組によってお子さんを持ちました。
子持ちの方と結婚する
なんらかの事情があり、未婚で子供を育てている方、または離婚してシングルマザーとなった方と結婚して、その子供と養子縁組を結ぶという選択肢もあります。
ただし「子供を持ちたいから」という理由だけで相手を選ばないようにしましょう。
子供が大きい場合には、子供に受け入れてもらう必要があったりと大変なこともあるかもしれませんが、それはどの方法でも大きくなった時に直面することでしょう。
まとめ
FTMが子供を授かる方法を4つご紹介しました。まとめると次の通りです。
- 非配偶者間精子提供(AID): 第三者の精子を用いて人工授精を行う方法。FTMの場合、受け入れてくれる病院が限られている。
- 卵子保存: FTMが自分の遺伝子を残すために、卵巣を摘出する前に卵子を保存する方法。日本国内での対応病院が少ないため、タイなどでの取り出しが一般的。ただし生理を起こす必要もあるので精神的負担に注意
- 養子縁組・里親制度: 血のつながりがなくとも、養子や里子を迎えて家族を作る選択。児童相談所への相談から始める。
- 子持ちの方と結婚する: 未婚で子供を持つ方やシングルマザーと結婚し、その子供と養子縁組を結ぶ方法。ただしそれだけの理由で相手を選ばないように注意。
日本ではまだまだ法的、倫理的な問題などから出来る場所や方法がまだ少ないのが現状です。
しかし家族の形が多様化してきていることから、少しずつ法整備などが進んでいくことに期待したいところですね。
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