「胸オペを考えているけど、どんな手術になるんだろう……」
「どのくらいの費用が掛かるんだろう……」
そんな不安や疑問を抱えるあなたに、ここでは胸オペの術式や費用について詳しく紹介します。
胸オペとは?
「胸オペ」とは、性同一性障害の当事者が俗語として使用している言葉で、正式には「乳腺摘出手術」「乳房摘出手術」「乳房切除術」などと言います。
つまりは、胸の膨らみをとるための手術です。
FTM・FTXの場合は女性の身体の象徴である「胸(おっぱい)」をなくしたいと希望を持つため、多くの人がこの胸オペを行います。
胸オペを受けるための条件
胸オペは18歳以上であれば受けることができます。
胸オペは性別適合手術ではないため、あまり多くの制限が設けられておらず、ホルモン治療前で診断書がなくても受けられるのです。
実際に女性の身体の象徴ともいえる旨をいち早く取りたいということでホルモン治療前に胸オペを受けるケースも少なくありません。
また病院の指定などがあるにせよ、ホル注開始前であれば保険適用で胸オペを受けられる可能性があります。
胸オペの術式一挙公開
胸オペの術式は大きく4種類あり、メスを入れる形によって「●字切開」と名付けられているのが一般的です。
どの術式になるかは、ほぼ胸の大きさやたれ具合で決まります。
医者が判断をするので、細かく「どの大きさならこの術式」と覚えておく必要はありません。
U字切開
最もスタンダードな方法がU字切開で、約8割がこの術式です。
U字切開では、乳輪の外側下半分に沿って切開をします。
術跡が小さく、目立ちにくいので、胸が大きすぎない限りは大抵この術式です。
O字切開
乳輪の外側にそって、丸く切開をします。少し胸の大きい場合方向けの術式です。
O字切開では、胸の脂肪を取ったときに余ってしまう皮を同時に取り除くことができます。
I字切開
乳房の下を横一直線に向かって切開をします。
比較的胸が大きかったり、ちょっと垂れていたりする場合に、皮膚も一緒に切除する必要があるため、I字切開を行う必要があります。
逆T字切開
逆T字切開は、かなり胸が大きく、皮膚が大きく余ってしまう可能性があるときに用いられる術式です。
乳輪の下に一直線で切開し、胸の下部を切開するので逆T字の形になります。
I字切開や、T字切開は傷跡が比較的大きくなってしまいます。
そのため胸オペを行うなら、大きくなったり垂れてしまわないように工夫をしなければなりません。
体質で大きくなってしまうのは防げないかもしれませんが、筋トレなど垂れないようにすることはできます。
※とはいえ筋トレのしすぎで胸筋を付けすぎても手術がしにくくなるので、ほどほどに……。
胸オペの費用は?
気になる胸オペの費用。
国内でやるか海外でやるか、病院や術式によっても変動しますが、概ね50万円前後です。
性同一性障害のカウンセリングを行っている病院からの紹介などであれば、良心的なので心配ありませんが、一般の整形外科などに直接いくとかなり高額の費用を取られたりするので注意です。
胸オペは保険適用?
2018年から胸オペは保険適用で行えるようになりました。
保険適用で行うには、診断書があることと学会が定めるガイドラインを遵守していることと、診断書があること、指定の病院で手術を受けることなどが条件になります。
またホルモン治療を始めてしまっていると、保険適用になりません。
胸オペのオプション
胸の膨らみを取るだけでなく、より男性の胸に近づけるためのオプションの手術もあります。
乳頭縮小術
乳頭のサイズや形を整えることができる手術です。
乳頭の大きさが気になる方にオススメします。手術時間は30分~1時間ほどで、費用は15万円前後です。
病院にもよりますが大きく次の2つの術式に分かれます。
・通常法
乳頭の高さが気になる場合に行う術式です。乳頭の根元を切開して、乳輪と結合することで乳頭を低くします。
・特別法
前から見たときの乳頭の大きさが気になる場合に行う術式です。
ケーキカットの要領で、乳頭を三角形に切開し、結合することで乳頭の円周を小さくできます。
乳輪縮小術
乳輪を小さくするための手術です。
元々の大きさにもよりますが、半分ぐらいの大きさにまでできます。こちらも費用は15万円ほどです。
乳頭再建手術
過去に乳腺摘出手術や、乳頭縮小手術などをした際に、乳頭に壊死してしまった場合などに、再建する手術です。よっぽどのことがない限りあまり行うことはありません。
費用は10万円ほどです。
「胸オペ」は「性別適合手術」ではない?
勘違いされがちですが、胸オペは性別適合手術ではありません。
部類としては、整形外科手術。豊胸手術などと同じ部類です。だから診断書がなくても手術ができるところもあります。
脂肪吸引じゃダメなの?
「胸の膨らみを取るなら、脂肪吸引じゃダメなの?」と思う人もいるでしょう。
しかし脂肪吸引では、母乳を作る「乳腺」をとることができません。
「胸オペ」では、乳腺を取ります。乳腺は脂肪と違って、他の胎内組織と強くつながっているため、メスで切開をして取り除かなければなりません。
これは脂肪吸引ではできないことです。
胸オペのまとめ
性同一性障害の治療としても胸オペは、乳腺を取り除いたうえで膨らみを取るのが目的です。
胸の大きさによって術式や費用が異なりますが、多くの場合は傷口が目立たないU字切開で50万円前後です。
術後に痛みやかゆみが生じますが、これにはかなり個人差があります。
田代個人の体験談や、友人のリアルな体験談も別の記事で紹介するので、お楽しみに!!
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